2008年5月11日日曜日

砂防ダムを考える4

砂防ダム反対派の方の意見ではあるが、こう提言されている。

「山の崩落、侵食は重力場におけるエネルギーの放出である。
つまり、防げない自然現象である。
大地は、風や雨、地震等の作用により風化、
侵食、崩落を繰り返す。
しかし、これらの現象は大地が不安定な状態から、
安定な状態へと変化する過程のひとつである。
つまり、物質が運動しながら、
高い状態から低い状態へと変化することである。
川は水に運ばれ、土砂を山から海へと移動させる。
この現象は、位置エネルギーが0になるまで続くものである。
つまり、土砂の流出は重力のあるかぎり永久に続く現象である。
現在の砂防政策では、これらの自然現象をあたりまえのものとせず、
なにがなんでも土砂の流出を止めようとしているところに、
多くの矛盾をかかえこむ結果がでている。
例えば海岸地域において、川からの土砂供給がダムや砂防堰堤で、
ストップされることで海岸が浸食されてしまい、
それを防ぐ為に莫大なお金が使われている。
アルプス山間地やふげん岳などの火山地帯などの大崩落地帯において、
もっとも不安定な時期に大砂防工事を行おうとしている。
これは過去における土砂流出現象を調べれば、現在工事をすることが、
どれほど意味のあるものか疑われてしまう。
今の国のやり方でゆけば、
谷をさかのぼり山頂近くまで砂防堰堤を造らざるをえなくなる。
極端なことを言えば山全体をコンクリートで覆うことになってしまう。
すべての砂防工事が無意味とは決して言うつもりはないが、
砂防設備を造る時期を、もっと長い時間スケールで見る必要があり、
あまり意味のない投資はすべきでないと思う。」

確かに、最もな意見と思えて仕方がない。

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